⚠️ 注意:感染拡大を防ぐため体調不良を訴えているゲストの対応や嘔吐物等の処理は自分で判断せず必ずマネージャーや役員に先に相談してください。
1. 基本知識
- ノロウイルス感染症は年間を通して発生しますが、特に11月頃から増え始め、1〜2月がピークです。
- 感染力が非常に強く、ごく少量のウイルスで発病する特徴があります。
- 有効な消毒方法として「85〜90℃で90秒以上の加熱」または「次亜塩素酸ナトリウム消毒」が挙げられています。
- アルコール(消毒用エタノール)ではノロウイルスの消毒は不十分です。必ず次亜塩素酸ナトリウムなど適切な消毒剤を使用してください。
2. 感染経路
- 二枚貝(例:カキ・アサリ・シジミ)を生で食べる、または加熱不十分な場合に食中毒が起きます。
- 感染者の吐物・便・それらに触れた手指・環境を介してヒトからヒトへ伝播します。
3. 食中毒予防・対策
- 二枚貝の生食提供は控えるのが望ましいです。
- 調理する場合、中心部が 85〜90℃で90秒以上 加熱することが重要です。
- 二次汚染を防ぐため、使い捨て手袋の利用、手指が直接食品に触れないようにする配慮が必要です。
- 調理者が吐き気・下痢・発熱などの症状がある場合、食品を扱う業務から外れるべきです。
4. 手洗いの徹底
- 手洗いは二次感染予防の基本です。
- 特に「指先・指の間・親指まわり・手首・手のしわ」に汚れが残りやすいので意識して洗いましょう。
- 手洗い後にアルコール消毒を行う場合も、ノロウイルス対策としては必須ではなく、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。
5. 吐物・便の処理
客室等で吐物があった場合、迅速かつ確実な処理が必要です。
処理セット例:使い捨てマスク・手袋・エプロン・ペーパータオル・ビニール袋・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)等。
処理手順概要:
- 汚染場所に関係者以外近づけない。
- 手袋・マスク・エプロンを着用。
- ペーパータオル等で静かに外側から内側へふき取る。
- 吐物・使用ペーパータオルをビニール袋に入れ、0.1%次亜塩素酸ナトリウムを加えて密封。
- 汚染場所を0.1%次亜塩素酸ナトリウムに浸したペーパータオルでふく。経過後、水拭き。
- 汚染物・処理物品は別袋に入れ密封廃棄。
- 衣類に付着した場合:0.1%次亜塩素酸ナトリウム10分浸または85℃で1分以上熱湯消毒。
処理後は十分な換気も心がけましょう。
6. 消毒薬(次亜塩素酸ナトリウム)の濃度と作り方
市販漂白剤(塩素濃度約5%)を使用。
| 使用目的 | 濃度 |
|---|---|
| 汚物・便で汚染された場所・衣類 | 0.1%(1000ppm)に希釈 |
| 通常時の調理器具・床・ドアノブ等 | 0.02%(200ppm)に希釈 |
⚠️ 希釈消毒液は、時間経過・保存状態で塩素成分が消失するので、使用期限・保管条件を守ってください。
7. 施設の清掃・環境対策
- 客席・トイレ・ドアノブなど、手が触れる箇所は定期的な消毒が必要です。毎日の清掃時にドアノブも掃除をしましょう。
- 吐物処理・消毒が不十分だと、ウイルスが乾燥して空気中に浮遊・拡散する恐れがあります。
- 施設として、対応マニュアルの整備・定期的な見直しを行います。